【おひとり様暮らしに潜むリスク】
最近増えている「おひとり様」が賃貸で暮らし続けるリスクとは?
国立社会保障・人口問題研究所の2020年版、人口統計資料集によると
2015年時点での50歳時の未婚率は男性で23.37%、女性で14.06%となっています。
1990年での未婚率が5%前後になっていることから、おひとり様世帯が今後も、増えていくことが考えられます。
晩婚化の進行も伴い、そういった独身者の増加によって、「おひとり様」をターゲットにした各種商品やサービスが生み出され、単身者にとって住みやすい世の中になってきています。
多くの人が自分らしい生活を送ることができるようになっているといえるでしょう。
暮らしやすくなってきた「おひとり様」にとって、住宅とはどういうものが望ましいでしょうか?
多くの場合、住まいを選ぶのも変えるのも、自分ひとりの判断でできます。
まさに気ままな暮らし、です。
ですので、あまり長期的な視点で住まいのことを考えている方は多くないかもしれません。
気ままな一人暮らしということで賃貸住宅に住んでいる方も多い傾向にありますが、果たして、そのままでいいでしょうか?
人生100年時代といわれる現代において、現実問題、とくに高齢化してきたときに、おひとりさまは初めてそのリスクに直面することになります。
高齢になったときに賃貸物件に住み続けるリスクとは―。
・年金生活になってからも家賃の支払いは続く
住宅ローンを借りて家を買う場合、長くても35年の支払いを終えれば、あとは自分のものとなりますので、毎月の支払いは基本的に発生しません。
必要に応じて維持管理にかかる費用を負担するのみです。
賃貸の場合、最後まで家賃を支払う必要があります。仮に月8万円として、年間96万円。
65歳で定年後85歳まで20年間住み続けるとして2,000万円です。
老後の生活費は年金から支払うことになりますが、現在の老齢基礎年金は65,141円(令和2年度月額)。
厚生年金に加入している場合でも、月額報酬が40万円の方で148,000円、月額報酬が30万円の方は127,000円となっており※1、
家賃を支払って生活費を出すには足りません。
結果、リスクに備えるためには十分な貯蓄をしておくことが必要になります。
・高齢になったときに引っ越しが大変
アパートに住むことのメリットは、自分の好きな地域を選んで住居を移動できることですが、
高齢になると簡単に引っ越しができなくなります。
今住んでいるのと同じアパートに暮らしていればいいとお考えになるかもしれませんが、本当に大丈夫でしょうか?
現在、アパートを借りるときは多くの場合、普通借家契約のことが多いです。
その場合、最長でお亡くなりになるまでその家に住み続けることができるでしょう。
しかし、最近では定期借家契約が増えてきました。
この場合、再契約をしてもらえないと、契約の終了とともに引っ越しをしなければなりません。
また、普通借家契約でも安心していられません。
現在では、家を借りるときに保証会社が必須となっている契約がほとんどです。
契約が更新できても保証契約が継続できないことがあります。
また、夫婦二人で住んでいた部屋の場合、一人になると少し広すぎるので家賃も割高に感じてしまうということもあるでしょう。
今のところに住み続けることができなくなった場合、引っ越す必要がありますが、引っ越すのにも問題があります。
若い人と違って、高齢者を受け入れてくれるアパートはあまり多くありません。
なぜなら大家さんにとっては孤独死や認知症などのリスクを受け入れることになるからです。
・老後の生活に適した改造ができない
高齢者には家庭内での事故による怪我が発生します。
お風呂で転倒したり、トイレや玄関など経ったり座ったりする場所で転んでしまったりします。
頭を打ったり、大腿骨を骨折するなどした場合、それがきっかけで寝たきりになることもあります。
そういった事故を避けるために、高齢者が住む住宅では手すりを取り付けたり、段差をなくすといったバリアフリーの工事をすることが望ましいです。
しかし、賃貸の場合、基本的に借りている不動産は大家さんのものです。
したがって、設備を取り付ける場合、大家さんの許可が必要になります。
大家さんが費用を出してくれるかどうかはわかりませんし、自分で費用を出して取り付けたいと言っても、大家さんには造作買取をする義務が発生することがあるので、退去するときに原状復帰をお願いされることになり、工事費が二重にかかります。
そういった老後に向けての改修を考えると、「賃貸よりも持ち家の方が安心」という方も多くみられます。
・立ち退きリスクがある
普通借家契約の場合、借主が強く保護されていますので、
通常、借り主が借り続けたいと思っている場合、家賃を払い続ければ好きなだけ住むことができます。
しかし、実は大家さん側にも「正当な事由」があれば、事前(通常6ヶ月前まで)に通知することで解約をすることができます。
正当な事由とは、たとえば火事にあって建物が無くなってしまった場合、
老朽化のために建て直したり大幅な修繕が必要になった場合、
そして、大家さん自身がその家を使う必要ができた場合、です。
借家人が保護されているといっても、やはり他人の家ですので、無制限に住むわけにはいかないことを理解しておく必要があります。
・新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどの感染症に関するリスク
高齢になればなるほど、感染症にかかった場合に、重症化のリスクは上がります。
多くの共用部があるアパート暮らしとなると、共用部などで他人が触れた部分に触れる機会も増えます。
自分がうつらないようにするのはもちろん、自分が他人にうつさないようにするケアが必要になってきます。
また、海外では、(新型コロナウイルス感染症やインフルエンザではないですが)病気が共用部のエアダクトとを通じて伝染した、という事例もあります。
・共同住宅での気遣い
戸数の多いアパートや入れ替わりの激しいマンションの場合、引っ越してきた住人と生活スタイルが違うと、お互いにストレスが溜まる状態になってしまいます。
たとえば、隣や上の階に住んでいる人が夜間に仕事をするタイプのひとであった場合、自分が寝ているときに足音などの生活音が聞こえて来る。
下の階や両隣の人がタバコを吸う場合、窓も開けられず、洗濯物を干せなくなる、などです。
もちろん、逆に知らず識らずのうちに自分が他人に迷惑をかけていることもあります。
先ほどもお伝えした通り、高齢になると簡単に引っ越しができなくなるわけですから、アパートの住人から生活のリズムを崩されることも考慮しながらアパート選びをしなければいけません。
マンションのメリットである好立地と一戸建ての良さが融合した「DUP(デュープ)レジデンス」
1つの建物に2分割し、2世帯のみが暮らすデュープレジデンス。
隣り合うのは1世帯のみでメゾネット構造のため、マンションやアパートのように上下階や両隣の音や臭いで悩む必要がありません。
つまり共用部分がほとんどないため、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザにかかるリスクが低くなります。
またアパートやマンションの場合、ペットが飼える物件は非常に少ないですが、デュープレジデンスでは個人所有のためペットを自由に飼うことができます。
アパートに住むときに家賃を抑えようと考えると、生活に不便な場所を選ばなければならないこともあります。
しかしデュープレジデンスの立地は駅近エリアに限定して建築しているため、マンションと同じような利便性のある立地で住むことができます。
高齢になって、移動が若い頃のようにいかなくなったときこそ、徒歩圏内の近隣に生活関連施設が充実していることが重要になります。
家賃を支払うように住宅ローンを払って、払い終わると自由の身に
高齢になると、体力が落ちたり何事にも意欲を失ったりしがちです。
そうなってから家探しをしたり、引っ越しをするというのはなかなか大変です。
自宅を所有するなら、動けるうち、若いうち、ローンが組めるうちに検討しておく方がベター。
そして、デュープレジデンスなら、
月々のローンの支払額は、近隣に賃貸住宅を借りるのとあまり変わりません。
違うのは、家賃は住んでいる限りずっと支払う必要があるのに対して、
ローンはいつか払い終わるということ。
早いうちに手に入れておくことは、老後の安心に向けての備えにもなるでしょう。
※1 厚生労働省「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しー2019(令和元)年財政検証結果―」
●この記事を書いたのは…
DUPレジデンスライフスタイルコーディネーター
横井 彩織 |