【名古屋市ファミリーシップ制度】
名古屋レインボープライド2023とは?
名古屋レインボープライド2023、LGBTQといった性的マイノリティの方々による啓発のためのイベントです。
繁華街を思い思いの服装をして歩く、とてもピースフルなイベントです。
名古屋では2012年から2017年まで「虹色どまんなかパレード」という催しが行われていました。
一度中断しましたが2019年から、「名古屋レインボープライド」として、装いも新たに開催されています。
2020年、2021年はコロナ禍によってリアル開催がされていませんが、2022年より、再度リアルイベントとして開催されています。
そして、2023年も無事開催される見通しとなりました。
日程は2023年6月3日(土)11:00〜18:00、場所はオアシス21銀河の広場周辺で行われます。
様々なイベントが行われる中で目玉イベントでもあるパレードは15:00〜17:00の間で開催されます。
例年1,000名以上の方が参加する、とても活気のあるイベントです。
レインボープライドには「すべての人が、より自分らしく誇りをもって、前向きに楽しく生きていくことができる社会の実現を目指しています。」という想いが込められています。
海外では、このようなLGBTQの啓発活動には50年近くもの歴史があります。
こうした活動は徐々に世界中に広がり、日本でもこの10年ぐらいで注目度が上昇しています。
最近では名古屋レインボープライドにも多くの人が集まり、理念に共感したスポンサーも広がっています。
名古屋市ファミリーシップ制度とは?
2022年12月から、名古屋市でもいよいよ「ファミリーシップ制度」が開始されました。
同性カップルや事実婚を選択したいカップルなどのために、東京都渋谷区などを皮切りに「パートナーシップ制度」の導入が進んでいます。
愛知県下でもすでに多くの市町村が導入していますが、この度いよいよ名古屋市でも開始されることとなりました。
▶どんな制度?
「名古屋市ファミリーシップ制度」とは、
性的少数者の方々や様々な事情により婚姻制度や養子縁組制度を利用することができない方々のために、「二人がかけがえのない人生のパートナーである」ことを名古屋市に対して宣誓をしていただき、その宣誓内容を証明書として発行する
という制度です。
宣誓をすると「ファミリーシップ宣誓書受領証」「宣誓書受領証明カード」を受け取ることができます。また、宣誓にかかる費用は無料です。
▶利用するための条件とは?
下記のような条件を利用する二人が満たしている必要があります。
1.成年に達していること。
2.少なくともいずれか一方が市内に住所を有し、又は市内への転入を予定していること。
3.宣誓者同士が婚姻をしていないこと。
4.宣誓者のいずれもが宣誓者以外の者と婚姻(事実上の婚姻関係を含む)をしておらず、かつファミリーシップを形成している者がいないこと。
5.双方が近親者(民法で規定する婚姻することができない関係にある)でないこと。(ただし、養子縁組している・養子縁組をしていた場合は除きます)
要件には「性的少数者であること」や「同性であること」などの性別に関する項目がないため、性別に関わらず結婚をしていない多くのカップルの利用が可能です。
▶結婚との違いとは?
夫婦関係であれば、一人が亡くなればその配偶者は必ず相続人になります。
また、意識不明になるような大きな病気や事故に見舞われた際に、配偶者は、延命措置等に関して重要な意思決定をすることができます。
ファミリーシップ制度はあくまで、「宣誓」していることを証明するためのものとなります。
そのため夫婦関係とは異なりますが、相続税に関しても大きな優遇があります。
住宅ローンを借りる際の保証人などもスムーズです。
また、扶養や社会保険といった点でも、配偶者には特別な待遇があります。
ファミリーシップ制度を使って宣誓をしたからといって、通常の配偶者への待遇が受けられるわけではありませんが、
例えば銀行のローンなどでは宣誓者に対して配偶者と同様に保証人や連帯債務を認めることがあります。
また、不動産を買ったり、借りたりする際にも、二人を夫婦同然として扱ってもらい、契約上で不利益がないような手続きが進められています。
ファミリーシップ制度に関しては、すべての事業者などに、二人がパートナーであることを認めさせるものではありませんが、理解のある事業者が増えることで、性的少数者の方や事実婚の方々が暮らしやすい世の中になることが期待されています。
▶同棲や事実婚や夫婦別姓には使えるの?
ファミリーシップ制度は、性的少数者の方々に限ったものではありません。
異性同士のカップルであっても、条件を満たせば利用可能となります。
結婚はしていないけれど同棲状態にある(いわゆる内縁の状態)方々が、自分たちが他に結婚しておらず、パートナーとして互いに認めあっていることを証明するために利用することができます。
近年は姓は自分のアイデンティティの一部であると考え、夫婦別姓を希望しているカップルも多くいらっしゃいます。
現在、日本の法律では完全な夫婦別姓は認められていないため、事実婚か、「旧姓併記」で実現が不十分となります。
ファミリーシップ制度では、法律関係は変わりませんが、「互いにかけがえのないパートナーである」ことを宣誓していること(同時に他の人とは結婚していないこと)を容易に照明できるようになります。
▶別れたり、他の人と結婚した場合どうなるの?
通常の婚姻でも離婚に至ることがあるように、ファミリーシップであっても、残念ながら関係を解消する場合があります。
その際、すみやかに宣誓書受領証と証明カードを返納しなければなりません。
また「返還証明書」を受けることもできます。
他の自治体を含めて、複数の人と同様のファミリーシップ、パートナーシップを認証してもらうことは難しいため、今後新たなパートナーを見つけたときのために「返還証明書」が重要となります。
ファミリーシップ関係がありながら、同時に、その相手とは別の人と結婚した場合も、ファミリーシップの解消が必要です。
▶引越したらどうなるの?
名古屋市のファミリーシップ制度では、少なくともどちらか片方が名古屋市民である必要があります。
そのため、二人共が市外に引越してしまった場合は、宣誓書受領証や証明カードなどを返納しなければなりません。
生きにくさを感じている方々へ
名古屋レインボープライドも、名古屋市のファミリーシップ制度も、共に、現在「生きにくさを感じている」方々への救済を目的としています。
では、「生きにくさを感じる」とは一体何でしょうか?
多数派の人にとっては自然なことでも、LGBTQなど性的マイノリティの方や、夫婦別姓のために事実婚を選んでいる方にとっては、違和感があることが多々あります。
性的マイノリティではない方でも理解できるわかりやすいたとえとして、自動改札が挙げられます。
自動改札は「右利きが多い」という理由でタッチ部分が右側にあります。
左利きの方は反射的に左側でパスケースを持った場合など、ちょっと不自然な姿勢でタッチするか、右手に持ち替える必要があります。右利きの方から見ると小さな事ですが、左利きの方にとっては自動改札を通るたびにその不自由が大きなストレスになります。
自動改札ぐらいのことであれば、いずれ慣れていきますが、これが性的マイノリティや自分の姓といったアイデンティティに関わる部分となると「慣れていくこと」を心が拒否します。その結果、生きにくさを感じるのです。
そういった生きにくさを解消していくためには、「生きにくさに苦しんでいる人がいる」という現実を知り、理解できる人が一人でも多い社会になっていくことが一番です。
名古屋レインボープライドや、名古屋市ファミリーシップ制度の開始から、このような現実を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
生きやすさを実現する暮らし
東新住建では名古屋レインボープライドに協賛するなど、性的マイノリティの方々の啓蒙活動を応援しています。
レインボープライドには「すべての人が、より自分らしく誇りをもって、前向きに楽しく生きていくことができる社会の実現を目指しています。」という想いが込められています。
東新住建でも「すべての人たちが自分らしく生きていく街づくりを目指して。」という想いをのせて住まいを提供しています。
また、LGBTQカップルの方々でも使える住宅ローンの知識をご案内したり、同性カップル、事実婚カップルの方が住宅ローンを使う方法をご案内しています。
物件をご案内する際にも、特別なカップルとして扱うということはしていませんので、安心して物件選びをしていただくことができます。
東新住建は、LGBTQなどに限らず、多くの人にとっての生きやすさを実現する暮らしを提案していきます。
<関連記事>
パートナーシップ/ファミリーシップ宣誓制度 導入自治体
https://www.dup-m.jp/concept/lifestyle.php?id=24